2011年5月8日日曜日

『さぁ ゆくんだ』

さぁ ゆくんだ



ぼくはかつてキミに約束をした
“キミヲノセテユク”


あれからどれくらい経った?

ぼくはわがままなぼくのコトバから
脱け出そうとしてままならず
それはきっとトンネルの中を想像していたからだ

それはただノブを捻ればいいだけの
ただのドアだった
もしくはどちらかに引けばいいだけの
ただの襖だった

もしくはただの敷居か

眼の前の風景の彩りは自分の心の中だけにある

美しい月だけを想像したいなら
暖かな太陽の足元を歩けば良い

ただの草だって
ただの鉄棒だって
錆びた部品だって

美しくなる

君はいつも先々を恐れては
心配事を作り出して世界を支配した

君は恐ろしい怪物だ
それはぼくだ
ぼくそのものだ

残酷な太陽は鋭利な月を夜に残して
呑気に鼾をかいていた

夜明け前はいつも
悲しいニュースに覆われて
それをいつも決まったひとたちが被る

ぼくらはただ世界の中心にいるつもりになっていて
宇宙のことについてなんてさっぱり考えるのをやめていた

ただ当たり前のように
時間は流れるんだというくらいにしか
思ってなかったんじゃないか?

口先で出任せを唱えては
いつか世界は変わるんだなんて
分かっているくせにね
うまく騙されていたかったんだ

君は凍りついた心の奥の方の四角い部屋の中で
いったい何を思っていたんだろう?

きっといろんな夢や目的のために
時間を費やしていたんじゃないだろうか?

だけどいつもこうして神様の手が差し伸べられたときに
なかなかどうも踏み出せるものではないよね?

神様は祝福している
いままでぼくらが間違いの無いものを
見つめてきたことを

いや
そんなこと
神様は気には留めない

ただ
手ですくわれたものたちは
その手の中のことを思うだろう

遠ざかる手の甲を見つめながら
すくわれなかったものたちは
その風景を描くだろう

ぼくはいつだって飛び乗って
噛み付いてやりたいくらいだ

神様は気にしないだろう

なにひとつ

だけどきっと見てるだろう
ぼくのことも君のことも

ただそれだけだ

さぁ ゆくんだ

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