あの根の根
この根の根
その根の根
いちばん最初に駆け出したのだれ?
木の根の根
花の根の根
草の根の根
追いかけ合うようにみな違う道を行く
いつの間にか隣には誰もいなかったり
ばったり知らない誰かに出会ったり
わたしたちはそんな根であり空中を巡る枝葉
季節が来るたび落ちるものもあれば
季節が来るたび世界は変貌している
また季節が来るたび
一本の木が伸びるように留まることは許されず
一本の花が咲くように儚い運命を共有する
十九歳で踏みしめる何も知らない土地・北海道で
わたしは得体の知れない何かを感じていた
それは始まりでさらに遡れば.......
わたしたちは始まりをいつも共有している
ひとりぼっちの札幌で
バスを降りた立待岬で
わたしは砂利を踏み林道を抜けると現れるその洋館を知っている
ちいさなころからずっとわたしの夢に現れる風景のひとつだから
0 件のコメント:
コメントを投稿