2016年5月18日水曜日

『鋼鉄の花』





 農業家・茂川 真司くんとのコラボレーションで田んぼでのいけばなが実現した
 前日に一家四人田植えをして その土の感触を忘れられず 無理を言ってきょうの午前中生けさせていただいた
 
 花器となったバンセンのイメージはしゃぼん玉から無数の太陽 そして前日になって枯れる竹林から竹の伝説へ
 この時期 いままでにない勢いで竹林が枯れているらしい それに併せて想い起こしたのは竹の伝説で 60年だか100年に一度 竹は小さな白い花を咲かす それと同時に竹は破裂して一生を終えるという
 うろ憶えのこの話を想い起こしたのにはもうひとつ関連があって 数日前に物凄い轟音を夜中に聞き 目を覚ました出来事があったからだ 落雷のような 雪崩のような とにかく凄い音だったのだ

 近所の竹林は枯れているというが 昨年しっかり刈り上げた我が家の裏山の斜面からは とても美しい新しい笹が生えてきている
 もしかして 竹のが一生を終えると同時に 新たな生命の息吹が山から噴き出したのか などと想いながらバンセン花器をこさえたのだった

 いま 住んでいる吉木で花を生けたいとしばらく考え続けていた折 きょうはとても良い機会となった

 昼からは 本格的に茂川氏が田植えを仕上げる
 この度の作品「鉄の花」は 稲の成長と共に 日々 生けていくこととなる



 花器そのものは 2.5mほどあるが 笹をてっぺんに生けていたら やはり重さで倒れた ああ 竹が一生を終えたのだ と想い バンセンをぐしゃぐしゃに縮めて赤ちゃんの誕生と相成った

 この赤ちゃんがどんな風に成長していくのか 生ける自分の最大の楽しみである



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