2011年2月6日日曜日

『森に戯れる少年ふたり』

わたしは、その少年とともに、再び森へと分け入った。
かつてのその森よりも、丸みを帯びて球体を感ぜられた。
その森の入り口に酔いどれる悪魔は、何事かを呟く。
わたしは知らぬ素振りで、木々や枝葉を踏みしめる。
木霊が鳴り響き、森の中心部、“核”に呼応す。
わたしは、少年の手を引く。
少年は、何ももの言わず、わたしの手にぶら下がるようだ。
秘められた儀式のはじまり。
わたしは、少年にくちづけする。

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