2010年12月6日月曜日

『赤い水晶の月』








第2楽章
『赤い水晶の月』
〜海〜



海の底
太陽の迷宮
僅かな朝の欠片
恐竜たちは
ねむる

砂漠に純白の泥人形
それは山脈 美しい丘陵

赤く冷たく燃ゆる水晶の如き煌めきを備えた月のその切れ味

月が砂漠に帰る頃
砂漠は海へと変貌す

悪魔は去り
女神は水に還り
鉄屑も沈没船も泳ぎだす

わたしが
心待ちにした祭典
水面は月の都
光と水が交わり合い
音を奏でる様

やがて月は海の底深く沈みゆく





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