第1楽章
『純白の惑星』
〜砂漠〜
砂漠
そこは星屑の墓場
時折鉄屑も純白に横たわる
悪魔が女神を売り歩く
わたしはそれをただ黙って見つめる
ミイラは
砂漠の果ての岬で陽の沈みゆくのを臨む
少女は
薄暗い屋根裏部屋で乾いた心でそれを眺める
少女は
自分が人形であることをとうに忘れている
花嫁は
その家の台所で背伸びをし
その台所の窓からは燦々と朝の陽
家の外には一頭の山羊
わたしは
長らく雲を見ていない
雨も長いこと降らない
純白は乾ききっている
乾いた沈没船 乾いた空
みな
乾いた
純白の惑星
わたしはただ見つめる
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