2010年12月6日月曜日

『純白の惑星』








第1楽章
『純白の惑星』
〜砂漠〜


砂漠
そこは星屑の墓場

時折鉄屑も純白に横たわる

悪魔が女神を売り歩く

わたしはそれをただ黙って見つめる

ミイラは
砂漠の果ての岬で陽の沈みゆくのを臨む

少女は
薄暗い屋根裏部屋で乾いた心でそれを眺める
少女は
自分が人形であることをとうに忘れている

花嫁は
その家の台所で背伸びをし
その台所の窓からは燦々と朝の陽

家の外には一頭の山羊

わたしは
長らく雲を見ていない
雨も長いこと降らない
純白は乾ききっている

乾いた沈没船 乾いた空

みな
乾いた
純白の惑星

わたしはただ見つめる





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